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12月27日(金)正午12時入金分まで年内出荷いたします。それを過ぎると1月6日(月)以降の出荷となりますのでご注意ください。
また年始は数日の間当日出荷ができない可能性がございます。詳細につきましてはこちらの記事をご確認ください。

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WIZnet W55RP20: コンパクトで高効率なIoT用Ethernetチップ

WIZnet W55RP20: コンパクトで高効率なIoT用Ethernetチップ

本記事はWIZnet社より寄稿されたものをスイッチサイエンスで翻訳したものです。WIZnet社の新製品シリーズ「ioNIC」ファミリーの第一弾である、W55RP20を紹介します。

ioNIC(Internet Offload Network Interface Chip)は、MCUとハードワイヤードTCP/IPコントローラを一つにまとめた、ワンチップソリューションのシリーズです。


WIZnet W55RP20は、組み込みシステムに信頼性の高いEthernet接続機能を追加する画期的な製品です。コンパクトかつ高効率で、WIZnetのW5500 Ethernet コントローラとRaspberry PiのRP2040 マイクロコントローラという2領域での優れモノを統合しています。W55RP20は、ホビイスト、メイカー、プロ問わず、頑強で安定したネットワーク通信を必要とするIoTアプリケーション構築のためのオールインワンソリューションです。

WIZnetについて

WIZnetは、TCP/IP Offload Engine(TOE)技術と呼ばれるハードウェアによるネットワーキングソリューションにおけるパイオニアです。TOEは、ネットワーク通信処理をMCUからハードウェアにオフロードし、処理能力を解放することでスムーズな高速Ethernet通信を保証します。わずかな性能差でも問題となるリソース制約のある組み込みシステムにおいて、これは特に重要です。WIZnetのチップは使いやすさと信頼性により、メイカーの世界で高い評価を得ています。

W55RP20: EthernetとRP2040の出会い

W55RP20は、定評のあるRP2040マイコンとWIZnetのW5500 Ethernetコントローラをワンパッケージにしたものです。RP2040は、Raspberry Pi Picoで人気を博しており、デュアルコアARM Cortex-M0+プロセッサを搭載し、さまざまな組み込み処理に理想的なマイコンです。W5500はハードウェア処理のTCP/IPスタックにより、安定した効率の良いEthernet通信が可能で、マイコン側の負荷を軽減します。つまり、ネットワークの安定性を気にせず、アプリケーションロジックに集中できます。

 

なぜ本製品が重要なのか

従来、Raspberry Pi PicoにEthernet機能を追加するにはW5500など別のEthernetコントローラが必要でした。 W55RP20ではこれらをワンチップ化し、よりコンパクトなデザインにしました。ホームデバイス、リモートセンサ、実装面積が小さく信頼性の高いネットワークアクセスが必要なプロジェクトなど、省スペースと単純性が重要であるIoTプロジェクトには理想的なチップです。

WIZnet TOE: 効率的なネットワーク処理の秘訣

このチップの特徴はWIZnetのTOE(TCP/IP Offload Engine)です。TOEにより、TCP/IP通信を自ら実行することで、メインのマイコンをアプリケーションタスクの実行に専念させることができます。これにより、高トラフィックまたは困難なネットワーク環境でも高速で低遅延なEthernet通信が保証されます。TCP/IP をソフトウェア処理した場合と比較して、TOE はシステムオーバーヘッドを削減し、開発をシンプルにします。

リモートデータロガーを構築する場合を考えてみましょう。W55RP20は、MCUに常時のネットワークトラフィック管理をさせず、通信全てを処理し、RP2040はデータログ、分析処理、センサ入力によるアクション実行などを行います。これにより、効率の改善だけでなく、システムの安定性が向上します。

W55RP20-EVB-PICO: 開発者のお供に

W55RP20を使ってみようと考えていただいているのなら、手始めにW55RP20-EVB-PICO評価基板をお使いください。W55RP20が簡単に使える開発環境とペアになっており、Ethernet接続を要するプロジェクトのプロトタイピングが簡単にできます。評価ボードはメイカー/プロ問わず柔軟に使えるように設計しており、GPIO、UART、SPI、I2Cが利用できます。このボードを使えば、ネットワークセンサからホームオートメーションシステムまで、何でも素早くプロトタイプできます。

ユースケース事例:スマートホームオートメーション

温度、湿度、空気質を監視してクラウドサーバーにデータを送信するスマートホームシステムを構築する場合、W55RP20を使えば、RP2040を使ってセンサデータを簡単に処理し、Ethernet経由でクラウドにデータを送信できます。TOEが通信処理を実行するので、大変混雑しているネットワーク環境でも確実にデータを到達させることができます。さらにコンパクトなデザインであるため、小型の筐体の中に組み込めます。

W55RP20を選択する理由

  • ワンチップデザイン:RP2040 MCUとW5500 Ethernetコントローラをコンパクトにワンチップ化し、Ethernet機能追加の複雑さを軽減。
  • TOE技術:マイコンへの負荷を最小限に抑え、安定した高速ネットワーク通信を保証。
  • 柔軟性:HTTP、MQTT、FTPなどのプロトコルに対応、広範囲のIoT/産業アプリケーションにうってつけ。
  • 手軽なプロトタイピング:W55RP20-EVB-PICO評価ボードによりラピッド開発に利用しやすいプラットフォームを提供。

IoTを始めたばかり、あるいは高信頼のコネクテッドデバイス構築をお考えなら、コンパクトで効率的な高機能ソリューションを備えるW55RP20をぜひご検討ください。

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