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【ロボット向けシングルボードコンピュータ】D-Robotics RDK-X3を使ってみよう 中国Horizon Roboticsが海外展開開始!

【ロボット向けシングルボードコンピュータ】D-Robotics RDK-X3を使ってみよう 中国Horizon Roboticsが海外展開開始!

皆さんこんにちは。

今回の記事では、弊社で新しく取り扱いを準備しているD-RoboticsのRDK-X3というシングルボードコンピュータ(SBC)について紹介していきます。

D-Roboticsとは?

中国国内において、自動車向けの先進運転支援システムや自動運転向けSoCなどを開発している、"Horizon Robotics"の海外向け開発ボードブランドがD-Roboticsです。中国EV最大手のBYDが、Horizon Roboticsの製造したSoC"Journey"を採用するなど、自動運転チップでは非常に有名な企業となっています。

今回、海外向け英語サイトドキュメントなどを整備し、初の海外向け販売をスイッチサイエンスと行うことになりました。

今回ご紹介するRDK-X3についても、搭載したモデルが既にElephant RoboticsのmechArm 270で生産されており(日本では未発売)、他にも車両型ロボットのエッジコンピュータとして利用されている例が多く見受けられます。

中国ではロボット入門/ROS入門の最大手なので、あらかじめ多くの3Dカメラ、LiDAR、モータードライバ等のサンプルコードが用意されているのが強みです。

RDK X3について

RDK-X3は、他の一般的なシングルボードコンピュータと同様、40ピンのインタフェースを備えています。また、RJ45のEthernetインターフェースやUSB3.0のポートも存在し、映像出力はHDMIを一つ備えています。各種仕様は以下の表のとおりです。

CPU
Quad-core ARM Cortex A53@1.5G
BPU
Dual-core Bernoulli Arch, ~5Tops
RAM
2GB / 4GB LPDDR4
ストレージ
16 / 32 / 64 GB eMMC / Micro SD
マルチメディア
H.265 エンコード / デコード
H.264 エンコード / デコード
JPEG エンコード / デコード
CBR, VBR, AVBR, FixQp, QpMap bitrate Control
センサ
インターフェース
MIPI CSI 2lane x2
USBポート
USB type-A 3.0 x1
USB type-A 2.0 x2
USBデバイス
Micro USB 2.0 x1
デバッグポート
UART x1(デバッグ専用ポート)
映像
インターフェース
HDMI x1 (1080p60)
無線
インターフェース
Wi-Fi 2.4 GHz
Bluetooth 4.1
有線
インターフェース
RJ45 x1
40ピン
インターフェース
GPIO / I2C / UART / I2S / PWM
電源
5V 3A
OS
Ubuntu 20.04

 

どんなことができるの?

RDK-X3は、ロボットのエッジコンピュータとして利用することを主に想定し、開発されたシングルボードコンピュータです。

移動ロボットに搭載するなどして利用できます。電源はUSB Type-Cコネクタから5V/3Aを入力すれば良いので、通常のUSB PD対応のモバイルバッテリーで駆動が可能です。

当社でも取り扱いのあるYDLIDARなどのLiDARセンサを接続し、ROSを用いてSLAMを行うこともできます。

丁寧な連携方法の記事もあります(記事内にYDLIDAR X3とありますが、YDLIDAR X2の誤記です)。

私も実際に動かしてみましたが、動作は軽快でストレスなく操作を行うことができました。また、発熱が少なく、各種ソフトウェアのインストールやROS2のサンプルコードを走らせる程度の処理であれば、直後にCPU上面を指で触ることができる程度の温度しか発しませんでした。

中国国内では380RMBほどで流通している(海外向け/日本向け価格は調整中)ボードで5Topsの性能を発揮しているので、人気になるのもわかります。

開発に用いるHorizon RDKというキットについて、公式のドキュメントページが英語で非常に充実している点も開発を進めるうえで嬉しいポイントです。システムインストールからLinux・C/C++・Pythonなどについての各種開発ガイド、FAQまで一つのマニュアルで確認できます。適宜ご活用頂き、ご使用ください。

日本での販売に加え、彼らは中国で多くのロボットコンテストチームやロボット系の研究室をサポートしており、日本でも弊社を通じてスポンサードや製品の試用提供などを計画しています。海外向け(英語)のサポートコミュニティも解説しました。

 

環境構築について

ここでは、環境構築の方法についてご説明します。これまでにUbuntuや他のシングルボードコンピュータを利用されたことがある方は分かることも多いかと思いますが、D-Roboticsが公式に配布しているOSイメージを使用しなければ、RDK-X3が起動しないことがあるという点に注意が必要です。
(3回ほど通常のUbuntuイメージやRaspberry Pi imagerを利用してOSを焼いてみましたが、起動しませんでした)

まずはじめに、Horizon RDKのドキュメントページを開きます。
翻訳機能を使って日本語訳してあげると使いやすいです。

ドキュメントページを開けたら、「1. システムのインストールとログイン」を開きます。

「1.2 システムの書き込み」を開き、そのページの指示に従ってイメージをダウンロードします。(イメージをダウンロードできるURLはこちらです)このあとは、balenaEtcherなどを用いた通常のUbuntuインストールメディアの作成や、シングルボードコンピュータへのOSインストールと同様に作業を行うと、OSを焼くことができます。

OSが焼けたmicroSDカードをスロットに差し込めば、準備完了です。

 

 

 

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