M5StackシリーズのドローンStampFly ドローン初心者向けメモ
高須です。StampFly量産1号機を持ち歩いて、販売に向けていろいろテストをしています。
- ちょっと練習すれば、ドローン初心者でも楽しめるぐらいに飛ばせる
- 箱開けてすぐのところで、いくつかハマりやすいポイントがある
- AtomJoyStickは購入直後にファームウェアのアップデートが必要
など、気づいたことをメモします。
AtomJoyStickのファームウェアを最新版に
AtomJoyStick, 8/2発売版のバージョンはM5Burnerを使ったファームウェアの更新が必要です。7/31に、StampFly, AtomJoystickとも、M5Burner上のファームウェアがV1.0となりました。
バッテリ取り付けの注意
ドローン先頭の、ToFセンサ(VL53L3C)が入っている基板を取り外して、StampFlyにバッテリをいれます。
出荷状態のStampFly,この部分のケーブルがひとまとめになってバッテリが入るべき場所をふさいでいて、「どっからバッテリー入れるんだ?」と困ることがあります。
ケーブルを2つに割って、その間からバッテリを入れましょう。バッテリを入れるとこう見えるはずです。
バッテリーを入れると↑このようになります。スイッチはなく、先頭の基板を取り付けるとすぐ電源が入ります。
AtomJoyStickのボタン(画面)を押しながら電源スイッチをいれると、StampFly-AtomJoyStickお互いがペアリングされます。 JoyStick側は、ドローンが落下しても再起動しなくて大丈夫です。
最初はSTABLE MODE/自動高度制御ONで
StampFlyはトイドローンや自作ドローンと言われるカテゴリの製品です。ドローンは4つのモーターを制御して、前進・上昇・下降などの操作をします。どれぐらいスティックを倒すと、どのモーターにどういう制御を行って機体を動かすかは、本体のジャイロ・加速度センサなどセンサ類の戻り値からフィードバック制御を常に行う必要があります。参考:「マルチコプタの運動と制御」基礎のきそ
そのフライトコントローラのファームウェアを、@kouhei_kanazawa 先生に開発いただいたことにより、Stampflyはこのカテゴリのドローンのなかではとても安定して、飛ばしやすいです。下向きの距離センサ(ToF)があり、自動で一定高度を保ってくれますが、自転車に乗るみたいなもので、機体を見ながらバランスを取るために常にプロポを操作し続ける必要はありますし、練習もいります。大量のセンサー類やGPS等を搭載し、機体が見えない前提で自動制御で飛行するDJIなどのドローンとは、違うカテゴリの製品で、操縦者が練習しないと、思うように飛ばせません。
Stampflyは、初期のモードは「STABLE MODE」になっていて、スティックを倒してもIMUの値などを見て安定して動く(急激に動かない)モードになっており、ToFを使った高度の自動制御有効になっています。
Atom Joystickの黄色いボタンがそれぞれ、L-BUTTON がSports/Stableモード切替(電源on時はStable) R-BUTTONがToF自動高度制御ON/OFF(電源On時はON)です。
上手に飛ばせるようになったらSPORTS MODEに切り替えても飛ばせるようになるでしょう。
伊藤先生がドローン講習会で教えている「うまく飛ばすコツ」
落とすたびにStampFlyのペアリングボタンを押してセンサー校正をリセット
激しくぶつけると、ジャイロやIMUの値がおかしくなり、離陸した瞬間にアサッテの方向に飛んでいってしまうことがあります。落としたら、慌てずに
- StampFlyの裏面を見て、モーターのコネクタが外れてないか確認
- 平らなところに置く
- 確実に平らなところにおいてから、StampFlyのペアリングボタンを押す
- LEDが白→紫(この間にセンサー校正)→様々な色に光りだす のを待ってから離陸再開(手に持った状態や、傾いた面に置いた状態でセンサー校正しない)
をやりましょう。
タクトスイッチが、ちょっと奥まった場所にあって押しづらいので注意
最初は、屋内の床に何も置いてない空間(半径3mぐらい)で飛ばそう
床の上から飛行させて机の上などにいくと、高度を一定の位置に保っているToF(下向き距離センサ)が、急に高度を取ろうとします。床に何も置いてない空間で飛ばしましょう。StampFlyのToFは赤外線を使っているので、屋外だとうまく動きません。
ToFは、数十cm~2mぐらいの高度を維持しようとします。(地面にぶつからない、勝手に遠くに飛んでいってしまわない) (Thanks Prof. @Kouhei_kanazawa )
練習は「1m範囲ぐらいの場所から出ずに1分飛ばせる」ぐらいから
最初は、ドローンの前後がわからなくなったり、一度勢いがつくとどう操作していいかわからなくなりがちです。そういう状態で激しく何度もStampFlyをぶつけると、断線や破損につながります。
簡単な練習から始めるのがよいとおもいます。
- ドローンを自分の正面に、前を向けて置く(LEDがある方が後ろ)
- 離陸させて、なるべく同じ場所(1m範囲以内ぐらい)で飛ばし続ける
- 1分以上はキープしたい
のが最初の練習です。
↓この動画は机から飛ばしてるので、机の範囲から出た時にいきなり高度が落ちてる(ToFが、机からの高度でなくて床からの高度を取ろうとしてる)のがわかります。
高須さんにStampFlyを見せてもらうなど。まだ横に流されるけど、これは遊びがいがめちゃくちゃありそう…! pic.twitter.com/QwzQU3fPim
— JA1TYE/Ryota Suzuki (@JA1TYE) July 28, 2024
「同じ場所から動かないように、微妙にJoyStickを動かし続けよう」ぐらいの目標だと、初見でもそこそこ飛ばせます。
バッテリ1本分(4-5分)ぐらいは、同じ場所を飛ばし続ける練習をしたほうがいいでしょう。
続いて、目標物のまわりをまわるとか、8の字とか
どの程度スティックを倒せばどう飛ぶかがあるていど身についたところで、目標物のまわりをまわるなど、より複雑な練習を。
さらにはSports Modeへの切り替えなどもしていくとよいとおもいます。
StampFly/Atom Joystickは人気になりそうな製品で、日本からはかなり大量に発注しているのですが、M5Stack社でも珍しいタイプの製品で、まだ製造スピードが早くなく、分納で少しずつ日本に向けて発送されています。8/2の初日のあとも、引き続き入荷していき、常に在庫できるようになっていくはずです。(発売時は瞬殺だったが、今は常に在庫のあるCardputerのような感じ)