プライベートなGmailで独自ドメインでDMARC対応した話
こんにちは。
ECシステム開発チームのいまづです。
みなさんBlueskyしてますか?
といっても、今回はBlueskyの話題ではないのですが、Blueskyではハンドルにドメインを使えますね。
https://bsky.social/about/blog/4-28-2023-domain-handle-tutorial
X(旧Twitter)での @ssci
がBlueskyではデフォルトだと @ssci.bsky.social
の
ようなサブドメイン形式のハンドルになるのですが、これを @switch-science.com
にできるというものです。
設定したいドメインにTXTレコードを作成することで設定できますね。
ちなみに、スイッチサイエンスはBlueskyでも @switch-scienceで新商品情報などを発信しています。こちらもよろしくお願いします。
Nostrでもなりすまし防止などのたてにドメイン認証が使えます。いわゆる認証バッジのような形で表示するようにできます。
https://github.com/nostr-protocol/nips/blob/master/05.md
個人でも本人証明の手段などのために、ドメインを使う機会がだんだん増えたのではないでしょうか。前から持ってるよ、という方も多いでしょうけれど。
僕は個人的に持っているドメインは基本的にCloudflareで管理しているのですが、”Email Routing”をメニューに見かけて「ああ、そういえば自ドメインでメール受信できるんだっけ」と思って試してみたくなりました。
https://developers.cloudflare.com/email-routing/
"Email Routing" でできるのは、設定した自ドメインのメールアドレスで受信して転送する(Workersとかでゴニョゴニョする)だけで、メールの送信はできません。
自ドメインのメールアドレスで受信できると送信もしたいです。
送信するならせっかくなのでDMARC対応もしておきたいです。
"Email Routing"の設定だけではDMARC関連のDNSレコードは作成されないので、"DMARC Managemenを有効" にしておきます。
デフォルトではDMARCポリシーは "none" になっています。
Gmailから自ドメインのメールアドレスで送信してみると
ということでGmailの「他のメールアドレスを追加」で追加してみました。
SMTPサーバーにはGmailのサーバーを指定して、パスワードにはアプリパスワードを作成して設定しました。
試しに送信してみると、問題なくfromは自ドメインのアドレスになっています。
ところが、
Gmailで他のドメインのメールアドレスを送信元に追加すると、DKIMとかつけてくれないんですね。知らなかったですよ。ご存知でした?
DMARCもfailしていますね。そらそうですね。DKIMついてないんだから。
Return-Path
はGmailのアドレスになっているので、署名ついていてもよさそうな気はしますが、もしついていたとしても MAIL FROM
と from アドレスのドメイン不一致でエラーにはなりそう。
結局自ドメインのSMTPサーバーが必要そうですが
わざわざメールサーバーを運用なんてしたくありません。
さて、どうしようかと考えたときに、さくらインターネットの「さくらのメールボックス」を契約していることを思い出しました。
調べてみると、他社で取得・管理中のドメインを設定したい に知りたいことが書いてあります。
12ヶ月一括払いだと1,048円です。おサイフにやさしめ。
SMTPにさくらのサーバーを使う場合、DKIMの署名鍵もさくらのサービス上で作成できるようです。
さくらのメールボックスにドメインを追加してみる
「メールドメイン設定」でSPFやDKIMの利用オン・オフが設定できますが、DKIMの設定が先に必要です。
「DMARCレコード」を「利用する」設定にして、デフォルトで設定します。
秘密鍵のアップロードをするかどうかも、ここで指定できますね。
設定が終わったら、「DNSレコード」を確認すると、必要な設定が表示されます。
DNSサーバーとしてはCloudflareを使うので、これらをのうち_domainkey
レコードやSPFのテキストレコードを転記します。
Gmailの送信元アドレスに設定したSMTPサーバーをさくらのメールサーバーに変更する
さくらのメールサービス側で、CloudflareのEmail Routingで設定したメールアドレスを作成します。このアカウント設定を使って、GmailのSMTPサーバーを設定し直します。
送信してみます。
PASSしました!
Return-Path
も作成したメールアドレスに変わりました。
個人的に大量メールを送信したりする予定はまったくありませんが、迷惑メール扱いされてしまう可能性はちょっとは減るのでしょうか。
今回たまたま僕が使っているメールサービスがさくらさんのものだったので、さくらのメールボックスの紹介みたいになってしまいましたが、基本的には使っているDNSサーバーとは別のSMTPサービスを使う場合、やることは同じような内容になるのでしょうね。
SMTPサーバーとDNSサーバーを別のサービスで使ってみると、それぞれで何をしないとならないのかがわかりやすい気がします。
お仕事のDMARC対応と違って、これ以上触ることはなさそうです。 ;D